後顧録

青年の雑記帳

消防団のこと

地方に移住すると、狭いコミュニティに拘束される。

田舎独特の濃密な近所付き合い、共有地の清掃、村八分消防団、etc.

この辺の要素が、若者の田舎暮らしを阻むらしい。

本当にそうかな?

地方の街にいた頃、少しの間、消防団をやった。自分には楽しく、充実したものだった。少なくとも周りの団員を見る限り、消防団活動で暮らしが居心地悪くなるとは思えない。

山村漁村とはまた事情が違うけど、地方の消防団に身を置いた者として、

”なぜ消防団活動は「田舎」の旧習の象徴として槍玉に挙げられ、時にバッシングの対象になるのか? ”

発信したいと思った。特にネット界隈でそんな風に感じる。新人団員の乏しい経験から考える。

0.消防団でやったこと

 

消防団では楽しいこと辛いこと、短い間に色々教わった。それはそれで記事にする機会もあると思うから、今回は割愛。

1.地域差

消防団は、地域差による評価の違いが大きい。東北の山間部出身の同期は、身内にも消防団員がいて、活動の概要も知ってた。その村落には常備消防(本職のいわゆる消防士さん)がいなくて、消防団が防火や防災を支えてる。

対照的に、千葉の知り合いは、消防団というものが現存して活動してることさえ、知らなかった。消防団について話を振ってみたら、怪訝な目で

「え、それボランティア??給料も出ないのに消防団なんかに入る人がいるんだ?」

と。。さすがに、この2人は極端な例だけど、地域によって、これほどの差がある。操法大会にしても、参加できる者が参加して技能向上を目指す班から、全国大会常連の班まであると聞く。これも地域差が影響してる。

2.偏見

消防団に限った話じゃないけど。実情を知らない方が偏見で語ることが多くないかな。もちろん、部外者や、都会の市民の視点も要る。世間の常識を無視して内輪で勝手にやっていたら、いずれ地域に根差す消防団の未来はなくなる。

ただ、必要以上に叩かれてると思う。

災害対応、行事運営など、消防団にしか担い得ないことがある。警察には警察、常備消防には常備の、消防団には消防団の役目がある。消防団は地域の人に近い。

学生や女性の組織もある。災害時には出動する。地域差もあるけど、自分の知る限り、そんなに拘束はきつくない。先輩も本当に可愛がってくれた。忙しいそうだったのは操法のときくらい。

消防団批判には、批判する側の問題も大いにあると感じる。

”田舎叩き”の材料にするのではなく、現実を、多くの人に見てほしい。